基礎講義年間カリキュラム
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講義内容 |
4月 |
経絡治療学総論 |
5月 |
漢方基礎生理学:気血営衛・四大病証 |
6月 |
セミナー |
7月 |
脉診の概要、治療法則 |
9月 |
比較脉診による証決定@ |
10月 |
比較脉診による証決定A |
11月 |
四診法 |
12月 |
補瀉論 |
1月 |
新春特別企画 |
2月 |
実地臨床における経絡治療@:標治法 |
3月 |
実地臨床における経絡治療A:総まとめ
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※ 講義内容は変更する場合があります。
※ 入会1年間は必須とします。2年目以降も随時受講可能です。
経絡治療には、脉診を中心とした診察により証を導き出し、定められた治療穴に対して補瀉を施す本治法と、患者さんの訴える病症に対して、それに対応する治療穴に補瀉を施す標治法があります。経絡治療は、これら二つの治療法を学べば、いかなる疾患に対しても治療を行なうことができるという、非常に簡便で優れた治療システムです。特に本会の脉診、証決定、補瀉の学術は他とは一線を画すほど臨床的に磨き上げられたものとなっており、それを使いこなせるようになれば、立派な“経絡治療家”と呼べるかと思います。
では、漢方理論における生理学、病理学を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか?
その意義は病理状態の把握にあります。具体的には患者さんの身体の中の、どこで、何が、なぜ、どうなっているのかを把握するということです。
それが出来れば、目的意識が明確になります。例えば、脾虚で太白を補うにしても、脾経の虚がどのように患者さんの病理状態に関わっているのかを理解して補うのと、ただ漠然と補法を施すのとではその成果は違ってくるはずです。なぜなら、補瀉を行なう「気」というエネルギーは、我々の意識や信念と密接に関係しているからです。また、脉診における着眼点も変わってくるでしょうし、病理状態に合わせて標治法を工夫していくことも出来るでしょう。
さらに、病理状態が解れば、インフォームドコンセントが的確にできるようになります。患者さんは、病気や症状を治してもらいたいのはもちろんのこと、なぜそのような症状が出ているのか、原因を知りたがっています。病院の検査で異常の見当たらない症状に対してはなおさらです。生理学、病理学を学んでいけば、毅然とした態度でその「なぜ?」に対して説明ができるようになり、患者さんの不安を払拭することが出来ます。また、その病理状態に応じた養生指導をすることで、信頼関係をより深め、病症の改善を早めることも可能になってきます。 本講座は、臨床例を挙げつつ、そこから基本的な部分に立ち返って生理学・病理学の原則を学ぶというスタイルで進めております。とても奥の深い分野ではありますが、東洋医学の神髄に迫るべく、少しずつ理解を深めていただきたいと思っております。